Appleの最新チップM3 Ultraを搭載したMac Studioが、Geekbenchのリーク結果でM4 Max搭載モデルをわずかに上回るスコアを記録した。しかし、価格が$3,999と$1,999のM4 Maxモデルに比べて倍以上であることを考えると、その性能差は意外なほど小さい。

ベンチマークでは、M3 Ultraのマルチコアスコアが27,749、M4 Maxが24,445と、M3 Ultraが確かに上回っている。しかし、シングルコアスコアではM3 Ultraが3,221に対し、M4 Maxは3,884と逆転。これは単一スレッドの処理速度が重要なタスクでは、M4 Maxの方が優れる可能性を示している。

M3 Ultraは32コアCPU、80コアGPU、96GBのユニファイドメモリを搭載し、プロフェッショナル向けの高負荷作業に適しているが、M4 Maxも十分な性能を発揮する。この結果は、M3 Ultraが価格に見合った価値を持つかどうかについて、新たな議論を呼びそうだ。

M3 Ultraのスペックとベンチマーク結果の詳細

Appleが「Macで最も強力なプロセッサ」と宣伝するM3 Ultraは、32コアCPU、80コアGPU、32コアNeural Engineを搭載し、ハイエンドな処理に特化している。ユニファイドメモリは96GBを標準搭載し、Mac Studioのパフォーマンスを最大限に引き出す仕様となっている。

ベンチマーク結果では、M3 Ultraのマルチコアスコアが27,749を記録し、M4 Maxの24,445を上回った。しかし、シングルコアスコアではM4 Maxが3,884、M3 Ultraは3,221と逆転。この結果から、M3 Ultraは複数のスレッドを同時に処理する作業では優位に立つが、単一スレッドに依存する処理ではM4 Maxが有利であることがわかる。

これは、動画編集や3Dレンダリングなどの並列処理が求められる作業ではM3 Ultraの強みが発揮される一方、コードコンパイルや軽量なアプリケーションの動作ではM4 Maxがよりスムーズに動作する可能性を示している。Mac Studioの用途を考えると、どちらのモデルを選ぶかは、求める作業内容によって変わりそうだ。

M4 Maxのコストパフォーマンスは予想以上に高い

M4 Max搭載のMac Studioは、価格が$1,999と、M3 Ultraモデルの$3,999よりもはるかに安価だ。この価格差を考慮すると、M4 Maxのシングルコア性能の優位性は無視できないポイントである。

シングルコア性能が重要になるのは、オフィス作業や一般的なクリエイティブワーク、さらにはゲームプレイといった用途だ。特に、Apple SiliconのMacでは、一部のアプリが依然としてシングルスレッド処理に依存しているケースが多いため、M4 Maxの高いシングルコアスコアは実用性の面で評価される可能性がある。

また、M4 Maxは最大128GBのユニファイドメモリを搭載可能であり、GPUコアも最大40コアに達する。これらの仕様を考慮すると、多くのユーザーにとってM3 Ultraの追加コストを支払う必要性は低く、M4 Maxモデルの方がより現実的な選択肢になりそうだ。Mac Studioの導入を検討する際には、価格と性能のバランスを慎重に見極めることが求められる。

M3 Ultraはプロ向けだがM4 Maxとの差は歴然とは言えない

AppleはM3 Ultraをプロフェッショナル向けのパワフルな選択肢として位置づけているが、今回のベンチマーク結果を見る限り、M4 Maxとの差は決定的ではない。特に、一般的な用途ではM4 Maxの方が快適に動作するケースも考えられるため、M3 Ultraが本当に必要なユーザーは限られるかもしれない。

M3 Ultraの強みは、大規模なAI処理や3Dレンダリング、映像制作など、極端に高負荷なタスクにある。例えば、AIモデルのトレーニングや4K/8K映像のリアルタイム編集、数百万ポリゴンを扱う3Dアニメーション制作などでは、M3 Ultraの性能が真価を発揮する。しかし、それ以外の用途では、M4 Maxでも十分な処理能力を持ち、価格を考慮すればむしろ賢い選択となる可能性がある。

最終的に、M3 UltraのMac Studioは確かにハイエンドなパフォーマンスを誇るが、それが$2,000の価格差に見合うかどうかは、ユーザーの用途次第だ。M4 Maxの高いシングルコア性能とコストパフォーマンスを考慮すると、M3 Ultraの価値を最大限に活かせるユーザーは限られるといえるだろう。

Source:Tom’s Guide