AMDがRyzen 9 9950X3Dおよび9900X3Dの発売日を3月12日と正式に発表した。これはAMD中国公式ストアに掲載された情報によるもので、同社が約束していた第1四半期内のリリースが確定した形だ。
今回の発表により、16コアの9950X3Dと12コアの9900X3Dが3D V-Cache技術を搭載し、Zen 5アーキテクチャとともに登場することが明確になった。また、リーク情報を裏付ける形で、レビューが3月11日に公開される可能性が高いとされている。
さらに価格情報も浮上している。JDプラットフォームでは9950X3Dが5599元、9900X3Dが4599元とされ、Neweggではそれぞれ699ドルと599ドルでリストアップされている。ただし、これらの価格が正式なものかは不明であり、今後のAMDの正式発表に注目が集まる。
AMD Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dのスペック詳細 3D V-CacheとZen 5の組み合わせ

AMDのRyzen 9 9950X3Dと9900X3Dは、16コアおよび12コア構成で登場し、3D V-Cache技術とZen 5アーキテクチャを組み合わせた新世代のハイエンドCPUだ。3D V-CacheはL3キャッシュの容量を大幅に増加させ、特にゲームや一部のクリエイティブ作業での性能向上が期待されている。
この技術は前世代のRyzen 7 5800X3DやRyzen 9 7950X3Dなどでも高い評価を受けており、新モデルでも同様の効果が見込まれる。
Ryzen 9 9950X3Dは16コア32スレッド構成で、9900X3Dは12コア24スレッドとなる。これらのモデルは、既存の9950Xや9900Xの拡張版であり、追加のキャッシュによるパフォーマンス向上が焦点となる。ベースクロックやブーストクロックの詳細は明らかにされていないが、従来モデルと比較してゲーム性能に特化した最適化が施されている可能性が高い。
また、3D V-Cache搭載モデルではクロック速度が若干低下する傾向がある。前世代のRyzen 9 7950X3Dでは標準の7950Xに比べてブーストクロックが抑えられていたため、今回も同様の仕様になる可能性がある。ただし、ゲーム性能を最優先するユーザーにとっては、キャッシュ増強による恩恵の方が大きいだろう。
AMDはこのシリーズで、ハイエンドゲーミング市場に向けた強力な選択肢を提供することを狙っている。
JDとNeweggでの価格差 9950X3Dと9900X3Dのコストはどうなるのか
新型Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dの価格情報がJDプラットフォームとNeweggで確認されている。JDでは9950X3Dが5599元(約87,000円)、9900X3Dが4599元(約71,000円)と表示されており、Neweggではそれぞれ699ドル(約105,000円)と599ドル(約90,000円)に設定されている。この価格差は、地域ごとの税制や販売戦略によるもので、正式な価格発表が待たれるところだ。
注目すべき点は、9950X3Dが前世代の7950X3D(5299元)よりも高価に設定されている点だ。9950X自体の発売時価格が4899元だったことを考えると、X3Dモデルは大幅な価格上昇が見られる。これは3D V-Cacheのコストや製造プロセスの影響と考えられるが、AMDがプレミアム市場向けの価格戦略を強化している可能性もある。
一方で、Neweggの価格はJDよりもやや高めに設定されているが、過去の例を見ても北米市場の価格は為替レートの影響を受けやすい。最終的な販売価格は各国の販売店やキャンペーン次第で変動することが考えられるため、実際に発売されるまで確定的な判断は難しい。価格の正式発表とともに、各国での実売価格がどのように推移するのか注視する必要がある。
9950X3Dと9900X3Dはゲーマーに最適な選択肢となるか
Ryzen 9 9950X3Dと9900X3Dは、特にゲーミングに特化した設計がなされており、ハイエンドPCを求めるユーザーにとって重要な選択肢となる可能性がある。3D V-CacheがもたらすL3キャッシュの拡張は、特にCPU負荷の高いゲームでフレームレートの向上を期待できる。前世代の7950X3Dでも、標準モデルと比較してゲーム性能が向上しており、今回も同様の傾向が見られると考えられる。
しかし、すべてのユーザーに最適とは言い切れない。X3Dシリーズは基本的にゲーム向けに特化しているため、クリエイティブ用途やマルチスレッド性能を重視する場合は、標準の9950Xや9900Xの方がコストパフォーマンスに優れる可能性がある。また、3D V-Cacheの影響で動作クロックが若干低下する傾向があるため、純粋な演算性能を重視する用途では注意が必要だ。
また、価格面でも慎重な検討が必要だ。Neweggでの699ドルという価格は、前世代モデルよりも高めに設定されているため、性能向上が価格に見合うかどうかが鍵となる。
特に既存のRyzen 9 7950X3Dユーザーが乗り換えるメリットがどれほどあるのかは、実際のベンチマーク結果を待たなければ判断できないだろう。発売日が近づくにつれて、詳細なレビューや検証結果が明らかになるはずなので、慎重に選択したいところだ。
Source:VideoCardz.com