サムスンは世界最大級のテクノロジーイベントCES 2025にて、最新のノートパソコンシリーズGalaxy Book5 Proと2-in-1コンバーチブルモデルGalaxy Book5 360を発表した。これらの新モデルは、AI技術を駆使した高度な機能とパフォーマンスが特徴である。特に、画像修復の「Photo Remaster」やリアルタイム翻訳を可能にする「Live Translate」など、Galaxyスマートフォンでおなじみの機能をPCに統合した点が注目される。
ハードウェア面では、第2世代Intel Core Ultraプロセッサを搭載し、最大25時間のバッテリー寿命を実現。さらに、3K解像度のDynamic AMOLED 2XディスプレイやDolby Atmos対応スピーカーなど、プレミアム仕様が盛り込まれている。一方、販売地域はカナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカに限定され、その他の国ではリリース未定である。
Galaxy Book5シリーズに搭載された革新のAI技術
Galaxy Book5シリーズの注目ポイントは、AIを活用した独自機能群である。「AI Select」は、画面上の任意のエリアを選択して関連情報を即座に検索するもので、情報収集の効率化が期待される。
また、「Photo Remaster」は、写真の修復や画質向上をAIで実現する技術で、SNSやプレゼン資料作成において活用範囲が広がるだろう。これらの機能は、Galaxyスマートフォンの既存技術を基盤としており、サムスンがエコシステムの一体化を目指していることがうかがえる。
さらに、Windows 11に対応したMicrosoft Phone Linkのネイティブサポートも見逃せない。これにより、スマートフォンとの連携が一段と強化され、メッセージ送信やアプリ操作がPC上でシームレスに行えるようになる。
これらの機能は、個人用途に限らず、ビジネスシーンにおいても効率性を向上させる可能性を秘めている。特にリモートワークが増加する現代において、AIと連携性を武器とするGalaxy Book5シリーズは、新しい作業スタイルの基盤を築く製品といえる。
高性能プロセッサとバッテリーの進化がもたらす価値
Galaxy Book5 Proおよび360には、第2世代Intel Core Ultraプロセッサが搭載されている。このプロセッサは最大47TOPsのNPU性能を誇り、高速な処理能力と効率性を兼ね備えている。特に、AI機能を活用する作業やグラフィックを多用するアプリケーションにおいて、その優位性を発揮する。また、最大25時間のバッテリー寿命を持つ16インチモデルは、長時間の外出先での作業や移動中の利用に適しているといえる。
急速充電にも対応しており、30分で35%の充電が可能だ。これにより、短時間でバッテリーを補充できる利便性が提供される。これらの性能向上は、ハイエンドノートPC市場における競争を激化させる要因となるだろう。一方で、これだけの性能を詰め込んだ製品がどのような価格帯で提供されるか、また冷却性能が十分かといった点は、購入を検討するユーザーにとって重要な関心事となる。
販売地域の限定とエコシステム戦略の背景
Galaxy Book5シリーズは、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカでの販売が発表されたが、それ以外の地域でのリリースは未定である。特に、シンガポール市場での展開については言及されておらず、今後の動向が注目される。
サムスンがこれらの主要市場を選定した背景には、ハイエンドPCの需要やエコシステム戦略が関係している可能性が高い。これらの地域では、Galaxyスマートフォンとの連携を重視した製品の展開が成功しており、その流れを強化する意図が見受けられる。
一方で、販売地域が限定されることによる需要の分散や、競合製品との差別化が課題となるだろう。また、地域ごとのユーザー層に応じたカスタマイズやプロモーション戦略が鍵となる。ハイエンド市場における他社製品との比較で、Galaxy Book5シリーズがどの程度の競争力を持つかが、今後のグローバル展開の成否を左右すると考えられる。サムスンの公式発表やユーザーのフィードバックがその答えを示すだろう。