AMDの次世代GPU、Radeon RX 9070 XTの価格が米小売店MicroCenterのリストに掲載され、699ドルになる可能性が浮上した。この価格は公式発表前のプレースホルダーの可能性があるが、もし事実なら競争力に疑問が生じる。

リーク情報によれば、下位モデルのRX 9070は649ドル、オーバークロック版もリストにあったが削除されたという。NvidiaのRTX 5070 Tiと競合するとみられるが、価格設定が強気すぎるとの指摘もある。正式発表は2月28日予定で、AMDがこの市場でどのような戦略を取るのか注目される。

RX 9070 XTの価格設定は本当に適正なのか

MicroCenterにリークされたAMD Radeon RX 9070 XTの価格は699ドルであるとされるが、この数字が本当に妥当なのか、慎重に見極める必要がある。NvidiaのRTX 5070 Tiの価格が749ドルとされているため、AMDは競争力を確保するためにそれよりも低価格を目指している可能性がある。

しかし、現行のRadeon RX 7900 XTが通常価格で799ドル前後で販売されていることを考えると、699ドルのRX 9070 XTがどの程度の性能を提供できるのか疑問が残る。

また、過去のリーク情報ではAMDが「700ドル未満」の価格帯を狙うという報道もあったため、今回のリークはそれと一致する内容といえる。問題は、この価格が正式発表時にどのように変動するかだ。

もしMicroCenterのリストが単なるプレースホルダー価格であれば、より低価格での提供の可能性も残されているが、正式な市場価格として発表された場合、NvidiaのRTX 5000シリーズとの競争は厳しくなるかもしれない。

RDNA 4世代のAMD GPUは、これまでの情報ではレイトレーシング性能の向上が期待されているが、それでもNvidiaのRTX 5000シリーズに比べて劣る可能性が高い。

レイトレーシング対応タイトルが増え続ける現状では、価格が近いNvidia製GPUと比較してどこまで戦えるのかが重要なポイントになる。699ドルという価格設定が適正かどうかは、AMDが発表するスペック次第で大きく変わることになるだろう。

RDNA 4世代のRX 9070 XTはRTX 5070 Tiの競争相手になり得るのか

AMDの新世代GPUであるRX 9070 XTは、NvidiaのRTX 5070 Tiと競合するモデルとみられている。RTX 5070 TiはNvidiaのBlackwellアーキテクチャを採用し、レイトレーシング性能やAI処理能力の向上が期待されているが、AMDのRDNA 4がどこまでこれに対抗できるかは不透明だ。

AMDは従来、純粋なシェーダー性能と価格対性能比を強みにしてきたが、近年はレイトレーシングやAI技術の遅れが課題となっている。

今回のリークではRX 9070 XTの詳細なスペックは明らかになっていないが、699ドルという価格が事実なら、RTX 5070 Tiに対して十分なコストパフォーマンスを提供できる必要がある。

もし性能が期待を下回れば、この価格設定はユーザーにとって魅力的とは言い難い。一方で、AMDが過去のモデルと同様に高いVRAM容量を搭載してくる可能性もあり、その点ではNvidiaのミドルレンジモデルに優位性を持つ可能性がある。

もう一つの懸念点は、RDNA 4世代が市場投入直後にどれだけ安定した供給を確保できるかだ。過去のAMD GPUでは、発売初期の在庫不足が問題となったことがあり、今回も同様の事態が起きれば、699ドルという価格で購入できるのはごく一部のユーザーに限られる可能性がある。

仮に品薄になれば転売市場の価格が高騰し、結果的にNvidiaのRTX 5000シリーズより割高になってしまう可能性もある。AMDがどのような戦略を取るのか、正式発表に注目が集まる。

MicroCenterのリーク情報はどこまで信頼できるのか

今回のAMD Radeon RX 9070 XTの価格リークは、米小売店MicroCenterのリストに基づいているが、この情報の信頼性はどの程度あるのだろうか。過去にもMicroCenterでは未発表のGPUやCPUの価格がリークされたことがあり、一部は事実と一致していた。しかし、多くの場合、それらの価格はプレースホルダーであり、正式発表後に大きく変動することも少なくなかった。

例えば、過去にNvidiaのRTX 4000シリーズがリークされた際も、最初に報じられた価格は正式発表時に修正されている。今回のリーク情報も、あくまで小売店が仮の価格として設定したものである可能性が高く、699ドルという価格が確定事項とは言えない。ただし、これまでの報道と照らし合わせると、AMDが700ドル未満の価格帯をターゲットにしていることは間違いないようだ。

さらに、今回のリストにはオーバークロック版のモデルも掲載されていたが、すでに削除されている点も興味深い。これは、MicroCenter側が誤って未発表の情報を掲載し、後に修正した可能性を示唆している。いずれにせよ、正式な発表が行われる2月28日までは、リーク情報に振り回されず、公式な価格発表を待つのが賢明だろう。

Source:TechRadar