AMDがドライバーレベルのフレーム生成機能「AFMF 2.1」を開発していると報じられている。この新バージョンは、2024年3月に発表予定のRDNA 4 GPUと同時にリリースされる可能性がある。現行のRDNA 2およびRDNA 3 GPU、さらにRyzen AI 300シリーズAPUでも動作するとされており、幅広いユーザーに恩恵をもたらすことが期待される。

NvidiaのRTX 5000シリーズ発表と競り合う形で登場するAMDの新技術は、特にハンドヘルドPCのパフォーマンス向上に寄与すると見られる。FSR 3非対応のゲームでも恩恵を受ける可能性があり、AIコアを必要としないため、既存のハードウェアでの動作も可能だ。AFMF 2.1は、従来の課題であったゴースト現象や入力遅延の改善にも注目が集まっている。

AMDは新型Radeon RX 9000シリーズで市場のシェア拡大を狙っており、FSR 4がRDNA 4専用となる可能性も指摘されている。NvidiaのBlackwell GPUが供給問題を抱えている現状を考えると、AMDがこの競争を優位に進めることもあり得る。RDNA 4の詳細発表が期待される2月28日には、さらなる情報が明らかになるかもしれない。

AMDのAFMF 2.1とは何か RDNA 4とともに登場する新機能の詳細

AMDが開発中とされるAFMF 2.1(AMD Fluid Motion Frames)は、ドライバーレベルでのフレーム生成を可能にする技術だ。既存のRDNA 2やRDNA 3 GPUだけでなく、新たに登場するRDNA 4 GPU、さらにはRyzen AI 300シリーズAPUでも動作する見込みである。

この技術はFSR 3(FidelityFX Super Resolution 3)に対応していないゲームでもフレームレートを向上させる可能性があり、より多くのタイトルでのパフォーマンス改善が期待される。

ドライバーレベルのフレーム生成機能としては、Nvidiaが発表した「Smooth Motion」があるが、これは現時点ではハンドヘルドPC向けAPUとの互換性が不透明である。一方、AFMF 2.1はAIコアを必要とせず、より広範囲のGPUやAPUに対応できるという点が強みとなる。この特性により、特にハンドヘルドPCのユーザーやエントリークラスのGPUを使用するゲーマーにとって有益な技術となるだろう。

これまでのAFMF 2.0ではゴースト現象やスタッター(カクつき)、入力遅延などが指摘されていたが、2.1ではこれらの問題が改善されることが期待される。RDNA 4とともに登場することで、どの程度の品質向上が図られるのかが注目されるポイントとなる。公式な発表が2月28日に予定されているため、AMDがどのような改良を施しているのかが明らかになる日も近い。

AFMF 2.1がもたらすゲーム体験の変化 フレーム生成技術の進化とは

フレーム生成技術は、近年のグラフィック性能向上の中で重要な役割を果たしている。従来のアップスケーリング技術と異なり、フレームを予測生成することで、GPUの負荷を増やさずにフレームレートを向上させることができる。特に、FSR 3非対応のゲームでもパフォーマンス改善を実現するAFMF 2.1は、多くのゲーマーにとって魅力的な機能となるだろう。

ハンドヘルドPC市場においても、この技術の影響は大きい。例えば、最近のRyzen AI 300シリーズAPUを搭載したデバイスでは、従来よりも高いパフォーマンスが期待されているが、AFMF 2.1が加わることでフレームレートの向上がさらに進む可能性がある。

特に、ハンドヘルドPCはディスプレイのリフレッシュレートが限られるため、スムーズな映像体験を実現するにはフレーム生成技術の精度が重要となる。

また、FSR 4がRDNA 4専用となる可能性が高いことから、AFMF 2.1がより幅広いユーザー層に対してフレーム生成技術を提供する橋渡し的な役割を果たすと考えられる。NvidiaのBlackwell GPUシリーズが供給問題を抱えている中、AMDがAFMF 2.1によって競争力を高められるかが市場の注目点となるだろう。

RDNA 4とともに発表されるこの新技術が、ゲーム体験をどのように変えていくのか、今後の動向が待たれる。

Source:TechRadar