2025年1月、Windows 11の市場シェアが36.6%に達し、過去最高を記録した。これは、同年10月14日に予定されているWindows 10のサポート終了が影響していると考えられる。しかし、依然として多くのユーザーがWindows 10を使用しており、移行のペースは緩やかである。
Windows 11への移行が進まない理由として、テレメトリや広告の多さ、厳しいハードウェア要件などが挙げられる。一方、マイクロソフトはWindows 10向けの新機能をテストしており、ユーザーの関心を引き続き集めている。
Windows 11の普及が進むも、移行をためらうユーザーの実態

Windows 11の市場シェアが36.6%に到達し、過去最高を記録したが、多くのユーザーが移行をためらっている。StatCounterのデータによると、Windows 10のシェアは依然として60.37%と圧倒的に高く、サポート終了が迫る中でも多くの人々が使い続けている。これは、Windows 11の新機能が魅力的である一方で、いくつかの障壁が移行を妨げているためと考えられる。
その一つが、Windows 11の厳しいハードウェア要件である。特にTPM 2.0の必須化により、古いPCを使用しているユーザーは新たに対応デバイスを購入する必要がある。また、Microsoftの積極的なアップグレード推奨にもかかわらず、Windows 10の使い勝手や安定性を理由に現状維持を選ぶユーザーも少なくない。加えて、Windows 11のシェル広告やテレメトリ機能に不満を抱く声も聞かれる。
しかし、Windows 10のサポート終了後はセキュリティリスクが増大するため、Microsoftは移行を加速させる施策を強化する可能性がある。現時点では、Windows 10向けに有料の延長サポートが提供される見込みだが、長期的に見れば新OSへの移行が避けられない状況になりつつある。ユーザーは、今後のアップデートやサポート終了後の対応を慎重に見極める必要がある。
Windows 10サポート終了で何が変わるのか
Windows 10のサポートは2025年10月14日に終了し、それ以降はセキュリティアップデートが提供されなくなる。これにより、脆弱性が修正されず、マルウェアやハッキングのリスクが大幅に高まることが懸念されている。企業向けには延長セキュリティ更新プログラム(ESU)が提供されるが、個人向けにも有料で延長サポートが提供される可能性が報じられている。
また、サポート終了に伴い、Windows 10上でのMicrosoft 365やOfficeアプリのサポートも終了する予定であり、最新のアプリが使用できなくなる。これにより、仕事や学習でMicrosoftのアプリを利用しているユーザーは、Windows 11への移行を余儀なくされる可能性が高い。一方で、サードパーティ製ソフトウェアの対応次第では、Windows 10を使い続ける選択肢も残るかもしれない。
しかし、これらの状況を考慮すると、Windows 10のまま使用し続けることはリスクを伴う選択となる。特に、オンラインバンキングや個人情報を扱う作業を行うユーザーにとっては、脆弱性の放置が重大な問題につながる可能性がある。今後の動向次第ではあるが、セキュリティを重視するユーザーにとって、Windows 11への移行は避けられないものとなるかもしれない。
Windows 11移行を考える上でのポイント
Windows 11への移行を検討する際、いくつかの重要なポイントを考慮する必要がある。まず、現在使用しているPCがWindows 11のシステム要件を満たしているか確認することが第一歩となる。特に、TPM 2.0やセキュアブートの要件を満たしていないPCでは、アップグレードができず、新たにPCを購入する必要が生じる。
次に、Windows 11の新機能が自身の利用スタイルに適しているかを検討するべきだ。新しいタスクバーの仕様変更や、スタートメニューのデザイン変更に対して不満を持つユーザーもいるため、事前に十分な情報収集が必要である。また、Windows 11には、AIを活用した「Copilot」機能が搭載されるなど、次世代のテクノロジーが盛り込まれているが、これが日常的に必要かどうかも判断基準となる。
さらに、Windows 10のサポート終了後も使い続ける場合、セキュリティ対策を強化する必要がある。ウイルス対策ソフトの導入や、最新のブラウザ・アプリの使用が推奨されるが、これでも十分とは言い切れない。最終的には、自身の用途やセキュリティリスクを考慮し、Windows 11への移行時期を決めることが重要である。
Source:TechSpot