Nvidiaの新型GPU「GeForce RTX 5080」が、BlenderベンチマークにおいてRTX 4080を10%上回る性能を示したことが注目を集めている。価格が999ドルに設定されているRTX 5080は、RTX 4080 Superとの差はわずか8%にとどまり、RTX 4080からの劇的な進化を期待していたユーザーには物足りなさを感じさせる結果となった。
性能比較において、RTX 5080のBlenderスコアは9,077ポイントと、前世代GPUを上回るものの、RTX 4080シリーズとの差はわずかであり、約1,000ドルの価格に見合う性能向上と捉えるのは難しい。RTX 5090がRTX 4090を約25%上回る性能を発揮しているのに対し、RTX 5080の改良幅は限定的であることが、次世代GPUの評価に影響を及ぼしている。
Blenderのような信頼性の高いベンチマークでの結果は、RTX 5080の実際のゲームパフォーマンスを予測する上で重要な指標となる。
しかし、RTX 3080 Tiから乗り換える場合は性能がほぼ2倍に向上するため、より大きなアップグレードを実感できる可能性がある。また、供給不足や転売価格の上昇がRTX 5080の普及に影響を及ぼす懸念も指摘されている。発売日である1月29日以降に公開される正式レビューが、その真価を明らかにするだろう。
Blenderベンチマークで明らかになったRTX 5080の実力とその位置付け

Nvidiaの新型GPU「GeForce RTX 5080」の性能は、Blenderベンチマークによって一定の評価がなされた。スコアは9,077ポイントで、RTX 4080 Superの8,375ポイントを約8%上回る結果である。さらにRTX 4080のスコア8,286ポイントとは約10%の差をつけたが、両者の性能差は価格差を正当化するほどではないとの意見もある。
この結果は、RTX 5080が上位モデルの性能を引き継ぎながらもコストを抑えた選択肢として設計されていることを示唆している。
Blenderは、3Dレンダリング分野で定評のあるベンチマークであり、実際のパフォーマンスを測定する上で信頼性が高いとされている。そのため、これらの数値は単なる指標以上に重要な意味を持つ。一方、RTX 5080がGeekbenchベンチマークでRTX 4080に対して22%の性能向上を示したことも話題となったが、GeekbenchはGPU性能評価の信頼性において限界があるとの指摘がある。
こうした背景から、RTX 5080はゲームやクリエイティブ用途において、RTX 4080からのアップグレードを検討するユーザーにとって微妙な立ち位置にあると言えよう。
RTX 5090との比較と高価格帯GPUの市場戦略
RTX 5080は、上位モデルであるRTX 5090との性能差が顕著である。RTX 5090のBlenderスコアは14,904ポイントで、RTX 4080に対して約80%、RTX 5080に対して約64%の性能差を示している。この大幅な性能向上は、特にプロフェッショナル用途で重要な意味を持つが、価格は2,000ドルに設定されており、一般ユーザーにとっては手が届きにくい存在である。
一方で、RTX 5080は999ドルという価格で販売されており、上位モデルと競合しないよう慎重に価格帯が設定されていることがわかる。
しかし、供給不足や転売価格の高騰が市場での障壁となる可能性がある。現時点でRTX 5090は在庫が限られており、公式価格を大幅に上回る価格で取引されるケースが報告されている。
Tom’s Hardwareは、NvidiaがRTX 5080の供給体制を整えない限り、同様の問題が発生する可能性があると指摘している。これにより、RTX 5080がミッドレンジからハイエンド市場でどのような役割を果たすのか、今後の動向が注目される。
RTX 3080 Tiユーザーにとってのアップグレードの価値
RTX 3080 Tiユーザーにとって、RTX 5080へのアップグレードは非常に魅力的である可能性がある。Blenderスコアで見れば、RTX 3080 Tiは5,283ポイントにとどまり、RTX 5080のスコア9,077ポイントに対して性能は約58%に相当する。これはほぼ2倍の性能向上を意味しており、特にゲームやグラフィック処理の重い作業を行うユーザーにとっては、価格に見合う投資と考えられる。
一方で、RTX 4080やRTX 4080 Superからのアップグレードを検討する場合、性能向上が10%未満にとどまる点を考慮する必要がある。こうした状況では、予算に余裕があるユーザー以外はアップグレードを見送る可能性が高いと考えられる。
また、RTX 5080が公式発表される1月29日以降にリリースされるレビューが、アップグレードの是非を判断する重要な材料となるだろう。価格や供給状況の変化も、最終的な消費者の選択に影響を与える要素である。
Source:Tom’s Hardware