MSIはCES 2025で新型AI対応ノートパソコン「Raider 18 HX AI」を発表した。このモデルは最新のNvidia RTX 5090 GPUやIntel Core Ultra 285HXプロセッサーを搭載し、ハードウェア性能の限界を押し広げる仕様となっている。特筆すべきは18インチのMini-LEDディスプレイで、UHD+解像度、120Hzリフレッシュレート、VESA DisplayHDR 1000認証を備え、ゲームやクリエイティブ用途に最適化されている点だ。
また、AIアシスタント「AI Robot」を中心とした一連のAI機能により、ユーザー体験が大幅に向上すると期待される。特に、テキストコマンドで操作できるSLMを活用した機能や、AI Noise Cancellation Proが注目される。価格は未発表ながら、最先端の構成からして高価格帯が予想される。
Raider 18 HX AIが描くゲーミングノートの新基準
MSIが発表したRaider 18 HX AIは、特にゲーミング用途を重視した設計が特徴的である。18インチのMini-LEDディスプレイは、UHD+の高解像度と120Hzのリフレッシュレートにより、滑らかで臨場感のある映像体験を提供する。
VESA DisplayHDR 1000認証を取得し、100%近いDCI-P3カバー率を誇るため、暗いシーンや鮮やかな色表現に優れており、ゲームのみならず映像制作や写真編集にも対応可能だ。また、24GB GDDR7のRTX 5090 GPUはAI支援によるリアルタイムレイトレーシングとDLSSを可能にし、最新ゲームタイトルの要求にも応える。
このスペックは、プロゲーマーや映像クリエイターの期待を超えるだけでなく、MSIがゲーミングノートPCの限界に挑戦していることを示すものである。一方で、これらの高性能がもたらす発熱や消費電力の課題にも注目すべきである。これを克服するため、MSIがどのような冷却技術を採用したのかは、今後の詳細レビューで解明されるだろう。
AI機能が変えるノートPCの可能性
Raider 18 HX AIは、Nvidiaとの共同開発によるAIアシスタント「AI Robot」を搭載している。この機能は小規模言語モデル(SLM)を採用し、テキストコマンドでラップトップを操作できる点が特筆される。具体的には、アプリケーションの起動やシステム設定の変更がユーザーの言葉だけで完了する仕組みだ。さらに、AI Noise Cancellation Proは外部のノイズを効果的に抑制し、オンラインミーティングやゲーム配信においてクリアな音声環境を実現する。
このようなAI機能は、単なる補助的な役割を超え、ユーザーの生産性や利便性を大幅に向上させる可能性を秘めている。ただし、AI機能が本当に日常の操作をどこまで効率化できるかは、実際の利用シーンに依存する。今後の課題として、AIの対応範囲を広げることや、誤認識を最小化する精度向上が挙げられる。MSIが示したこの方向性は、ノートPC全体の進化に大きな影響を与えるだろう。
未来を見据えたMSIのハードウェア戦略
MSIはRaiderシリーズに限らず、TitanやStealth、VectorなどのラインアップにもAI機能を搭載した製品を展開している。これにより、ゲーミング、クリエイティブ、ビジネスといった多様なニーズに対応可能な戦略が明確化された。また、Raider 18 HX AIにおけるIntel Core Ultra 285HXやAMD Ryzen 9955HX3Dの選択肢は、ユーザーが用途に応じて最適なプロセッサーを選べる柔軟性を提供している。
このような製品展開は、単なる技術革新ではなく、ユーザーの求める性能と体験に焦点を当てたものであるといえる。ただし、重量3.6kgや価格が高額になる可能性といった実用面でのハードルも存在する。これをどのように克服し、幅広い市場で受け入れられる製品へと進化させるかが、MSIにとって今後の課題となるだろう。