NVIDIAは、最新のGeForce 566.03 WHQLドライバーが、CorsairのiCUEソフトウェアとBlueStacksエミュレーターに問題を引き起こすことを報告している。特にCPU使用率の異常な増加が発生し、これによりパフォーマンス低下が見られるという。影響を受けたユーザーは、NVIDIAが正式な修正を提供するまでの暫定的な対策として、以前のドライバーにロールバックすることを推奨されている。

NVIDIA最新ドライバーによるCPU使用率の異常

NVIDIAがリリースした最新のGeForce 566.03 WHQLドライバーにより、特定のソフトウェアでCPU使用率が異常に高くなる問題が報告されている。特に、CorsairのiCUEとBlueStacksでこの現象が顕著であり、通常よりも多くのリソースを消費し、システム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼしている。これにより、ゲーミングやその他の高負荷なタスクでのパフォーマンス低下が懸念されている。

このCPU使用率の異常は、単なるバックグラウンドプロセスの影響にとどまらず、ゲーム中のフレームレートの低下やアプリケーションの動作不良につながる可能性がある。特に、iCUEはRGBライトやファンの制御といったPCの重要な機能を管理するため、異常が発生するとシステム全体の安定性が損なわれる。また、BlueStacksはWindows上でAndroidアプリを動作させるためのエミュレーターであり、このソフトを使用するユーザーにも重大な影響が出るとされる。

NVIDIAはこの問題を「オープンイシュー」として認識しており、修正に向けた対応を進めていると発表している。しかし、現時点では根本的な解決策は提示されておらず、ユーザーは一時的な対応策を取らざるを得ない状況である。

影響を受けるソフトウェアとその背景

今回の問題は、CorsairのiCUEソフトウェアとBlueStacksエミュレーターに主に影響を与えている。iCUEは、Corsair製のハードウェアデバイスを一括して管理できる統合ソフトウェアであり、PCのRGBライティング、ファンの速度調整、キーボードやマウスのマクロ設定など、多岐にわたる機能を持っている。このソフトが不具合を起こすと、単なる視覚的な演出の問題だけでなく、冷却機能にまで影響が及び、システム全体の安定性が損なわれることになる。

一方で、BlueStacksはWindows環境でAndroidアプリを動作させるためのエミュレーターで、ゲームや開発用途で利用されることが多い。特に、ゲームを目的に使用するユーザーにとって、パフォーマンスの低下は致命的な影響を与える可能性がある。高負荷のゲームアプリをプレイする際に、CPU使用率の異常がフレームレートに直接的な悪影響を及ぼし、快適なプレイ環境が損なわれることが懸念されている。

これらのソフトウェアは、NVIDIAのドライバーによってパフォーマンスが大きく影響を受けることが確認されており、ユーザーは注意を払う必要がある。

一時的な解決策としてのドライバーロールバック

NVIDIAは、問題の発生を受けて一時的な対応策として、GeForceドライバーを以前のバージョンである561.09にロールバックすることを推奨している。このバージョンのドライバーは、今回のCPU使用率の異常な増加を引き起こす問題が報告されていないため、安全に使用できるとされる。ロールバックを行うことで、iCUEやBlueStacksでのパフォーマンス低下を避け、通常通りの動作を取り戻すことができる。

ただし、このロールバックには一つの大きなデメリットが存在する。それは、最新のゲーム向けに最適化された「Game Ready」機能を失うことである。例えば、コール オブ デューティやレッド デッド リデンプションなど、最新の大作ゲームで最高のパフォーマンスを発揮するためのドライバー最適化が適用されない点である。ユーザーは、最新ゲームの最適化と安定性のどちらを優先するかというジレンマに直面することになる。

現状では、NVIDIAが正式な修正パッチを提供するまでの暫定的な解決策として、このロールバックが最善の方法とされている。

今後の修正に向けたNVIDIAの対応

NVIDIAは、この問題を「オープンイシュー」として認識し、修正に向けた作業を進めていると発表している。通常、ドライバーの更新には多くのバグが含まれることがあるが、今回のように特定のソフトウェアに影響を与える重大な問題が発生するケースは比較的珍しい。NVIDIAの開発チームは、この不具合を修正するためのパッチを迅速に提供するべく取り組んでいる。

同社は、他にもいくつかの問題を確認しており、例えばカスタムDSRやDLDSR解像度が特定のゲームで機能しない、Windows 10の透明効果が壊れるなどのバグも修正対象となっている。これらの問題は、将来的なアップデートで解消される見込みである。

今後、NVIDIAが提供する修正パッチがリリースされるまでの間、ユーザーは既存の問題を避けるため、ドライバーのロールバックやパフォーマンスの低下に対して注意を払う必要がある。