Intelの次世代モバイル向けCPU「Core Ultra 200H」シリーズの詳細がリークされた。最大16コアを搭載し、5.4GHzまでのクロック速度を誇るこのプロセッサは、最新のXe-LPG+ iGPUコアを搭載している点が特徴的だ。また、このシリーズにはさまざまな構成のモデルが用意されており、高性能を求めるユーザーに対して幅広い選択肢を提供する予定である。

「Core Ultra 200H」シリーズの詳細とラインナップ

Intelの次世代モバイル向けプロセッサ「Core Ultra 200H」シリーズは、最大16コアの強力な構成と高性能な処理能力を備えている。リーク情報によると、同シリーズは主に5つのSKUで構成されており、それぞれ異なるコア数やクロック速度を持つ。特に、Core Ultra 9 285Hは、6つのパフォーマンスコア(Pコア)と8つの効率コア(Eコア)、2つの低消費電力コア(LPEコア)を搭載し、45WのTDPで動作する。このモデルは、最上位プロセッサとして5.4GHzのターボブーストを実現することが可能で、デスクトップ向けのハイエンドチップに匹敵する性能を誇る。

一方で、Core Ultra 7 265HやCore Ultra 5 255Hも同じコア数を持つが、クロック速度やTDPが若干異なっている。また、より低価格帯のCore Ultra 5 235Hや225Hは、14コア構成であり、Pコアは4つに削減されるが、それでもターボブースト時に5.0GHzを維持する高い性能を提供する。これに加えて、各モデルのiGPUにはXe-LPG+アーキテクチャが採用されており、最大8つのXeコアを搭載している。

これらの特徴により、Core Ultra 200Hシリーズは、ゲーミングノートパソコンやクリエイター向けの高性能ノートパソコンに最適な選択肢となることが予想される。

最大16コア・5.4GHzの性能に注目

Core Ultra 200Hシリーズの最大の特徴は、16コアという圧倒的なコア数と5.4GHzのクロック速度を実現している点である。特に、最上位モデルであるCore Ultra 9 285Hは、ハイブリッド構成で、6つのPコア、8つのEコア、さらに2つのLPEコアを搭載し、従来のモバイル向けCPUを大きく超える性能を誇る。

Pコアは、高いシングルスレッド性能を発揮し、特に負荷のかかる作業や高性能を必要とするアプリケーションで威力を発揮する。一方で、EコアとLPEコアは、効率的なマルチタスク処理をサポートし、バッテリー寿命を延ばしながら高性能を提供する。このハイブリッド設計により、Intelは効率性とパフォーマンスを両立させている。

また、Core Ultra 9 285Hでは、ターボブースト時に5.4GHzに達する。これは、従来のモバイルCPUでは考えられないレベルの速度であり、ゲームやビデオ編集、3Dレンダリングなどの高度な作業にも対応できる。これにより、ユーザーは高いパフォーマンスを体感できるだけでなく、省電力性能も享受できる。

モバイル向け高性能CPU「Core Ultra 200HX」との違い

Core Ultra 200Hシリーズと共に、Intelは「Core Ultra 200HX」という高性能モバイルプロセッサも展開している。これら2つのシリーズは同じArrow Lakeアーキテクチャに基づいているが、主に性能と用途に違いがある。

Core Ultra 200HXは、特にハイパフォーマンスを求めるユーザー向けに設計されており、デスクトップに近い性能を提供する。HXシリーズは、より多くのPコアとEコアを搭載しており、例えばCore Ultra 9 285HXでは、285Hよりも多くのコア数を持ち、より強力な処理能力を発揮する。これにより、ゲーミングやクリエイティブワーク向けの高性能ラップトップに適している。

一方で、Core Ultra 200Hシリーズは、一般的なモバイルユーザー向けに設計されており、性能と効率性のバランスを重視している。200Hシリーズは、HXシリーズに比べてTDPが低く、バッテリー駆動時間を延ばすことができるため、日常的な用途や軽量なノートパソコンにも適している。このように、200HXと200Hは、それぞれ異なるユーザー層に向けた製品となっている。

2025年のQ1に登場予定の新世代CPU

リーク情報によると、IntelのCore Ultra 200Hシリーズは、2025年第1四半期に正式リリースされる予定である。このタイミングは、次世代のモバイル向けハイエンドCPUが市場に登場する重要な時期となるだろう。また、同時期にリリースされる可能性のあるモデルとして、Core Ultra 200HXシリーズが注目されており、こちらは2024年末までに先行して登場する見込みである。

Intelは、Arrow Lakeアーキテクチャを採用したこれらの新世代CPUによって、モバイルデバイスの性能を大幅に向上させることを目指している。特に、ゲーミングノートパソコンやクリエイター向けの高性能ノートパソコン市場では、これらの新製品が大きな影響を与えると予想されている。5.4GHzのターボブーストや16コア構成といった特徴を備えたCPUは、これまでのモバイル向けプロセッサとは一線を画す存在となるだろう。

また、Intelは今後もLunar Lakeシリーズなど、さらなる進化を遂げたプロセッサの開発を進めており、Arrow Lakeの後継となる製品群にも期待が高まる。