Microsoftは、Windows Insiderプログラムの参加者向けにWindows 11 24H2のRelease Preview Channelビルド26100.2152を公開した。このビルドでは、スタートメニューからモバイルデバイスのコンテンツにアクセスできる機能や、通知管理の改善が導入された。さらに、Windows Sandbox Client Previewなどの新機能も含まれており、ユーザーエクスペリエンスの向上が図られている。
スタートメニューからモバイルデバイスにアクセス可能に
Windows 11 24H2のビルド26100.2152では、新たにスタートメニューから直接モバイルデバイスにアクセスする機能が導入された。この機能は、PCのスタートメニューからスマートフォンのバッテリー残量や接続状況を確認したり、音声メッセージや通話、写真などにアクセスすることができるものだ。
現時点でこの機能は、AndroidデバイスとMicrosoftの「Phone Link」を既に接続しているユーザーのみが利用できる。iOSデバイスのサポートについては、今後提供予定であることが発表されている。デバイス間のシームレスな統合を目指すこのアップデートは、ユーザーが異なるデバイス間で作業を中断することなく続行できる環境を提供する。
この機能は、PCの設定メニューから「パーソナライズ」→「スタート」で管理できるようになっており、ユーザーが手軽にアクセスできる点も魅力的だ。モバイルデバイスを頻繁に使用するユーザーにとって、スタートメニューからの簡単なアクセスは、日常の作業効率を大幅に向上させるだろう。
通知機能の改善と新しい管理オプション
ビルド26100.2152では、通知管理機能に大幅な改善が加えられた。ユーザーはこれまで、特定のアプリからの通知を無効にするために設定画面に移動する必要があったが、今回のアップデートにより、通知そのものから直接設定を変更できるようになった。
通知が表示された際、ユーザーは通知の右上に表示される「…」(三点リーダー)をクリックすることで、そのアプリからの通知を無効にするオプションにすぐにアクセスできる。また、通知管理画面では新たに「通知提案」という項目が追加され、これにより通知の提案を無効化することも可能となっている。
この改良により、ユーザーは煩雑な通知に悩まされることなく、自分の好みに合わせた通知環境を簡単に設定できる。通知管理の改善は、特に多くのアプリを使用しているユーザーにとって大きなメリットであり、日常的なPC利用の快適さが向上すると期待される。
Windows Sandbox Client Previewの導入
今回のビルドには、Windows Sandbox Client Previewが新たに追加されている。この機能は、サンドボックス環境での操作をより柔軟にし、さまざまな操作をホストと共有できるように設計されている。具体的には、クリップボードのリダイレクトや、音声・映像の入力管理、ホストとのフォルダ共有が可能となる。
さらに、このプレビュー版にはコマンドラインのサポートも導入されており、特定の操作をコマンドで実行できるようになっている。たとえば、「exe –help」コマンドを使用することで、利用可能なコマンドを確認することができる。また、これらの機能に関する更新はMicrosoft Storeを通じて提供されるため、ユーザーは常に最新のサンドボックス環境を利用できる。
このWindows Sandbox Client Previewは、特にセキュリティやプライバシーを重視するユーザーにとって有用なツールとなるだろう。仮想環境を使ったテストや検証作業がより簡単かつ効率的に行えるため、ビジネス用途にも広く活用が期待されている。
その他のUIおよびシステム改善
ビルド26100.2152では、ユーザーインターフェース(UI)の修正やシステムの改善も多数含まれている。まず、特定のアプリを実行した際に一部のUI要素が表示されない問題が修正された。この改善により、複数のアプリを使い分ける際の視覚的な不便が解消されている。
また、仮想ハードディスク(VHD/VHDx)のプロパティ画面に「仮想ハードディスクの取り外し」ボタンが追加された。この機能は、ユーザーがVHDを効率的に管理できるようにするもので、特にストレージ管理の利便性が向上している。
さらに、Windows 11のデザインに沿ったWi-Fiパスワード入力ダイアログが導入され、ネットワーク設定画面もより洗練されたデザインとなった。これらの改善により、ユーザーは直感的かつ一貫したインターフェースでシステムを操作できるようになっている。今回のアップデートは、見た目の美しさだけでなく、実際の操作性も向上させるものとなっている。