Microsoftは今週、Windows 11 Devチャネル向けに新たなビルド26120.1930をリリースした。この最新アップデートでは、Copilotキーのリマッピング機能やWindows Sandboxの改善が盛り込まれている。また、中国語フォントに新たなUnicode拡張文字も追加された。
一部のインサイダー向けには、デュアルブート時のOS選択メニュー表示に関する不具合が修正されているが、依然としていくつかの既知の問題が存在する。
Copilotキーの新機能:アプリ起動設定を追加
Windows 11の最新Devビルド26120.1930では、Copilotキーのリマッピング機能が強化された。ユーザーはこれにより、Copilotキーを他のアプリ起動に利用することが可能になった。この機能は、MSIX形式でパッケージされ、署名されたアプリを起動するために設計されており、セキュリティとプライバシー要件を満たすアプリに限定されている。デフォルトではCopilotキーはCopilotアプリを起動するが、ユーザーが他のアプリを選択すれば、そのアプリを起動するようにカスタマイズできる。
この設定は「設定」>「パーソナライゼーション」>「テキスト入力」から変更できる。ただし、キーボードにCopilotキーが搭載されていない場合、この設定を調整しても反映されない仕様である。将来的には、この機能がさらに改良される予定であり、次のビルドでもユーザー体験の向上が期待される。Copilotキーはこれまでにも注目されていたが、今回のリマッピング機能追加により、より柔軟に利用できるようになった。
Windows Sandboxのクライアントプレビューが全インサイダーに展開
Windows 11のビルド26120.1930では、Windows Sandboxのクライアントプレビュー機能が全てのDevチャネル参加者に展開された。この機能は、前ビルド26120.1843で一部のユーザーに限定的に提供されていたが、今回のアップデートにより全インサイダーが利用可能になった。Windows Sandboxは、仮想化技術を利用し、安全な環境内でアプリケーションやファイルをテストできる機能である。
今回のクライアントプレビューは、さらに改善されたユーザー体験を提供することを目指している。例えば、従来のSandboxでは発生していた一部の互換性問題が解消され、より多くのアプリケーションや設定が正常に機能するようになった。また、新たな設定オプションも追加され、よりカスタマイズされた環境構築が可能になった。Windows Sandboxは、特にセキュリティやプライバシーに敏感なユーザーにとって、今後ますます重要なツールとなるだろう。
中国語フォントにUnicode拡張文字を追加
最新のビルドでは、新たに簡体字中国語フォント「Simsun-ExtG」が追加された。このフォントは、9,753のUnicode拡張文字をサポートしており、拡張G、H、Iの範囲に対応している。特に注目すべきは、中国語で最も複雑とされる「biang」字(U+30EDD)が新たに含まれた点である。これにより、より多くの中国語コンテンツが正確に表示できるようになった。
具体的には、Unicode拡張G範囲では4,939文字、H範囲では4,192文字、I範囲では622文字が追加されている。しかし、これらの拡張文字を利用できるアプリケーションはまだ限られており、一部のアプリでは表示が正常に行われない可能性がある。この問題については、今後のアプリケーションアップデートで解消されることが期待される。今回のフォント拡張は、特に中国語を利用するユーザーにとって重要なアップデートとなるだろう。
インストール時の既知の問題と修正点
ビルド26120.1930には、いくつかの既知の問題とそれに対する修正が含まれている。例えば、デュアルブート環境で発生していたOS選択メニューが正しく表示されない問題が修正された。この不具合では、メニューの色が正しく表示されず、画面の半分しかメニューが表示されない場合があったが、今回のビルドでこの問題が解消されている。
一方で、インストール時にエラーコード「0x800f0983」が表示される問題が報告されている。このエラーが発生した場合は、再度インストールを試みることで問題が解消されることがある。また、スタートメニューの「全てのアプリ」リストが正しく表示されない場合があり、リストが途中で切れてしまうことがある。この問題が発生した際は、システムを再起動するか、「explorer.exe」を再起動することで一時的に修正できる。
Microsoftは、これらの問題についても今後のビルドで修正を予定している。