2024年のWindows 11大型アップデート「バージョン24H2」がリリースされた。今回のアップデートでは、AI機能やWi-Fi 7のサポートなど、多くの新機能が追加されている。しかし、AI機能は一部の最新ハードウェアにのみ対応しており、多くのユーザーには恩恵が限られている。

それでも、sudoコマンドのサポートやシステム全体のスピード向上といった、全てのユーザーに役立つ改善も含まれている。AI機能の更なる進化に期待が寄せられる中、次回のテスト段階でどのような新機能が試されるのか注目が集まる。

Windows 11バージョン24H2の注目ポイント

2024年のWindows 11大型アップデートであるバージョン24H2がリリースされた。このアップデートでは、AI機能やWi-Fi 7のサポートが大きな目玉となっている。しかし、これらの機能の多くは、最新のハードウェアを持つデバイスでしか利用できないため、すべてのユーザーがその恩恵を受けられるわけではない。特にAI機能は、Qualcomm Snapdragon Xシリーズプロセッサを搭載したデバイスでのみフルに活用できる。

AI機能以外にも、バージョン24H2はいくつかの興味深い改善点を含んでいる。たとえば、Wi-Fi 7のサポートが追加されたが、まだWi-Fi 7対応のPCは少なく、現時点での実用性は限られている。また、Windows Terminalへのsudoサポートが導入されたことも注目すべき点である。管理者権限を必要とするコマンドを実行する際に、わざわざ別ウィンドウを開く必要がなくなり、作業効率が向上する。

全体として、バージョン24H2は見た目以上に控えめなアップデートであるが、特定のユーザーにとっては価値のある新機能が追加されている。これらの新機能がどの程度広く活用されるか、今後のハードウェアの進化がカギとなるだろう。

AI機能「Copilot+」の進化と今後の展開

Windows 11バージョン24H2で導入されたAI機能「Copilot+」は、現時点ではほとんどのユーザーにとってはあまり役に立たない。しかし、Microsoftは今後、このAI機能をより実用的なものにするためのアップデートを予定しており、特に「Recall」や「Click to Do」といった新機能に期待が寄せられている。「Recall」は、ユーザーが過去に行った作業に素早く戻れる機能で、Windows 10の「タイムライン」機能を進化させたものだ。

「Click to Do」は、画面上の任意のオブジェクトをクリックすることで、AIがそのオブジェクトに対して取れるアクションを提案してくれる機能だ。たとえば、写真をクリックすると、ペイントで背景を消去したり、フォトアプリでぼかしをかけたりするオプションが表示される。これにより、作業の効率が飛躍的に向上することが期待される。

MicrosoftがAI機能をさらに改良し、これらの新機能が今後のアップデートでどのように展開されるかが注目される。現在のところ、AI機能はまだ試験段階にあるが、将来的にはより多くのユーザーがその利便性を享受できるようになるだろう。

Wi-Fi 7やsudoサポートなど、その他の追加機能

バージョン24H2では、AI機能以外にもいくつかの追加機能が含まれている。その中でも特に注目すべきは、Wi-Fi 7のサポートとWindows Terminalへのsudoコマンドの導入である。Wi-Fi 7は、従来のWi-Fiよりも低遅延かつ高速な通信を可能にし、特にゲームやリアルタイムのタスクにおいてその効果が発揮される。

一方、sudoコマンドのサポートは、Windowsユーザーにとって非常に便利な機能である。従来、管理者権限が必要なコマンドを実行する際には、わざわざ管理者権限でターミナルを再起動する必要があった。しかし、sudoコマンドを使うことで、任意のコマンドを瞬時に管理者権限で実行できるようになり、作業の手間が大幅に省ける。

これらの新機能は、Windowsユーザーにとって非常に実用的なものとなっている。特に、Wi-Fi 7対応のデバイスが今後増えていくことで、その恩恵を受けるユーザーも増加するだろう。バージョン24H2は、見た目の大きな変化こそ少ないが、着実に使い勝手が向上していると言える。

インサイダー向けの新しいテスト機能

Windows 11のインサイダープログラムに参加しているユーザー向けには、いくつかの新しいテスト機能が提供されている。その中でも特に注目すべきは、Devチャンネルで導入された6GHz帯域のWi-Fiホットスポット作成機能である。この機能により、低遅延が求められるゲームや高負荷のタスクでも安定した接続が可能になる。

また、同じくインサイダー向けに、従来ほとんど使われていなかった「Copilot」キーのカスタマイズ機能も追加された。これにより、Copilotキーを任意のMSIXアプリに割り当てることができ、ユーザーの利便性が向上している。Copilotキーは、これまでほとんど使われることがなかったため、この変更は歓迎されるべきものである。

さらに、ウィジェット機能の改善も進行中で、タイマーやカウントダウンを設定できる新しいウィジェットがインサイダー向けに提供されている。これらの機能は、今後すべてのWindowsユーザーに展開される予定であり、ウィジェットパネルがより多機能で便利なものへと進化することが期待される。