インテルが新たに投入するArrow Lakeシリーズの「Core Ultra 5 225F」は、10コア構成ながら上位モデル「Ultra 5 235」とほぼ同等の性能をGeekbench 6で記録し注目を集めている。ベースクロックは3.3GHz、ブーストクロックは最大4.9GHzに設定されており、統合グラフィックスを排除することで価格競争力を強化している。
マルチコアスコアでは13,028ポイントを達成し、上位モデルとの差を感じさせないパフォーマンスを実現。一方で、コア数削減や低クロック設定によりマルチタスク性能にはわずかな影響が見られる。2025年初頭の発売が予定されており、低価格な800シリーズマザーボードとの組み合わせが期待される。
新世代CPUとして、エントリーユーザーやコストパフォーマンス重視の層にとって魅力的な選択肢となる可能性が高い。
Core Ultra 5 225Fが示す低価格CPUの新たな潮流
インテルが発表したArrow Lakeシリーズの「Core Ultra 5 225F」は、統合グラフィックスを省き、性能とコストを両立させた新たなアプローチが特徴だ。
6つのパフォーマンスコア(Pコア)と4つの効率コア(Eコア)という構成は、上位モデルに比べてシンプルであるが、Geekbench 6で記録された13,028というマルチコアスコアは、14コア構成の「Ultra 5 235」とほぼ同等のパフォーマンスを実現している。この結果は、効率的なアーキテクチャ設計とクロックチューニングの成功を物語っている。
また、TDPが65Wに抑えられている点も注目に値する。低消費電力でありながら、一般的なデスクトップ用途に十分な性能を提供する仕様は、エントリーユーザーにとって魅力的である。ただし、AMDのRyzen 9000シリーズがシングルコア性能で優位に立つ中、競争環境でどの程度市場シェアを拡大できるかが今後の焦点となるだろう。
Geekbenchスコアの実態とその限界
「Core Ultra 5 225F」のGeekbench 6スコアは、シングルコア2,653ポイント、マルチコア13,028ポイントと報告されているが、このベンチマークデータは一定の限界を持つ。スコアのばらつきや環境要因に影響されるため、最終的な評価を下すには複数のテスト結果を集約する必要がある。
Wccftechが報じたこれらの数値は、「Ultra 5 235」のスコアと比較して非常に近いが、実際の使用環境では差が生じる可能性も否定できない。
特に、効率コアが4つ削減されたことで、負荷が高いマルチタスク作業やプロフェッショナル用途ではわずかな性能低下が感じられる場合もあるだろう。一方で、ベースクロック3.3GHz、ブーストクロック4.9GHzという仕様は、主流となるデスクトップPCユーザーに十分な性能を提供する。ベンチマークスコアの解釈には注意が必要であり、購入時には他のレビューやテスト結果を参考にすることが推奨される。
価格競争で浮上する「Core Ultra 5 225F」の強み
「Core Ultra 5 225F」の最大の強みは、競争力の高い価格設定が見込まれる点である。統合グラフィックスを搭載しない仕様により、製造コストを大幅に削減することで、市場価格が抑えられることが期待されている。この戦略は、GPUを別途購入するゲーマーやビルダー層に特化した選択肢を提供するものだ。
また、2025年初頭に発売予定とされる800シリーズマザーボードとの組み合わせにより、コストパフォーマンスを追求するユーザーに適した構成を実現する。このCPUは、価格対性能比を重視するエントリーユーザーやライトユーザーにとって、AMD製品に対抗する有力な選択肢となりうる。
市場環境においては、価格重視の製品が成功するためには単に安価であるだけでなく、十分な性能と信頼性が求められる。「Core Ultra 5 225F」は、価格と性能のバランスを高次元で実現した製品として注目されている。