ハンドヘルドメーカーOneXPlayerが、新型デバイス「Onexfly F1 Pro」を発表した。この7インチのOLEDディスプレイを備えたハンドヘルドは、AMDの最新CPU「Ryzen 9 HX 370」を搭載し、『Black Myth: Wukong』を1080p低画質設定で50~60FPSの滑らかな動作を実現している。

ティーザー動画で明かされた仕様によれば、Zen 5コアとRadeon 890M iGPUを組み合わせた高性能仕様で、Steam Deck OLEDやROG Ally Xといった競合デバイスに対抗するものとなっている。また、15Wという省エネ設定で平均58FPSを維持できるため、AAAタイトルのプレイにも十分な性能を備える。

画面のリフレッシュレートは144Hz、スピーカーにはハーマン・カードン製を採用し、ゲーマーの期待に応える仕様だ。

ハンドヘルドの新たな競争者、Onexfly F1 Proの性能に迫る

OneXPlayerが発表した「Onexfly F1 Pro」は、次世代のハンドヘルドゲーム市場においてその存在感を示す一台である。このデバイスには、Ryzen 9 HX 370が搭載されており、50~60FPSで動作する性能が話題だ。

AMDのZen 5コアやRadeon 890M iGPUを組み合わせることで、従来のモバイルゲーミングにはなかった処理能力を発揮し、AAAタイトルも快適にプレイできる。特に『Black Myth: Wukong』の動作テストでは、消費電力15Wの設定で平均58FPSを達成したことで、バッテリー性能とグラフィックスの両立を実現した。

また、Onexfly F1 ProはOLEDディスプレイを採用し、144Hzの高リフレッシュレートにより滑らかな映像を提供する。これにより、鮮やかなHDR対応ディスプレイとハーマン・カードン製スピーカーを組み合わせ、映像と音響面での強みも備えている。これらのハードウェアの充実が、従来のハンドヘルドに新たな基準をもたらしているといえるだろう。

AMDとOneXPlayer、共同で新技術を追求する背景

OneXPlayerが「Onexfly F1 Pro」で採用したRyzen 9 HX 370は、AMDの最新のモバイルCPUであり、従来のノートPC向けRyzenシリーズから流用されている。Tom’s Hardwareによると、AMDは現時点でハンドヘルド専用の新Zシリーズを発表しておらず、Ryzen 300シリーズを代替として用いる選択が主流である。そのため、Onexfly F1 Proは現状のAMDモバイル技術を最大限に活用したデバイスといえるだろう。

この背景には、ハンドヘルド向けの最適化が進む一方で、ノートPCとハンドヘルドの境界が曖昧になりつつある状況がある。ノートPCで高いパフォーマンスを発揮するRyzen 300シリーズが、ハンドヘルドデバイスでも快適に動作することで、新しい用途を切り拓くことができるというAMDの戦略が見て取れる。

OneXPlayerのティーザー動画は、Ryzen 9 HX 370が持つAI性能や、省エネを実現するTDP管理の適応性などを強調しており、今後のハンドヘルド市場におけるAMDの動向が期待される。

Steam Deck OLEDやROG Ally Xとの競争に挑む狙いとは

Onexfly F1 Proは、Steam Deck OLEDやROG Ally X、Lenovo Legion Goなどの既存のハンドヘルドデバイスをターゲットにしている。その特徴的なデザインや高いスペックにより、他のハンドヘルドと一線を画している。このデバイスの重量は598グラムであり、ハンドヘルドとして持ち運びやすく、操作性に優れている点も魅力のひとつである。

さらに、OneXPlayerは対抗機種と差別化を図るため、AI性能を活用した省エネ設計や高リフレッシュレートを採用しており、長時間のプレイにも対応できる。こうした点からも、同社は従来のハンドヘルドデバイスとは異なる独自のポジションを築こうとしていると考えられる。OneXPlayerの今回の発表は、ゲーミング市場に新たな風を吹き込み、競争を激化させるものとなるだろう。