マイクロソフトは、Windows 11向けの重要な累積アップデートKB5044284およびKB5044285をリリースした。これらのアップデートは、セキュリティ脆弱性の修正と、計27件のバグやパフォーマンス問題に対応するものだ。対象となるバージョンは、Windows 11 24H2および22H2/23H2であり、これらの更新は自動的に適用される必須アップデートとなっている。
アップデートの概要と対象バージョン
マイクロソフトは、2024年10月の累積アップデートとしてKB5044284およびKB5044285をWindows 11向けにリリースした。これらのアップデートは、Windows 11バージョン24H2および22H2/23H2を対象としており、重要なセキュリティ修正とパフォーマンス改善を含む。特に、過去数カ月に発見された複数のセキュリティ脆弱性に対するパッチが含まれており、ユーザーのシステムを保護するために重要な更新となっている。
KB5044284はWindows 11の24H2に適用され、13件のバグ修正と機能改善が含まれる。また、KB5044285は22H2および23H2向けに提供され、14件の修正が施されている。これらの更新は、累積アップデートの一部として、自動的にインストールされるか、手動でMicrosoft Update Catalogからダウンロードすることも可能だ。
これらのアップデートは、定例のPatch Tuesdayの一環として提供され、今後のセキュリティリスクや既知のバグを軽減するために、Windowsユーザーにとって重要な内容である。
KB5044284の主な変更点
Windows 11 24H2向けの累積アップデートKB5044284では、複数の重要な変更点が導入された。まず、リモートプロシージャコール(RPC)をHTTP経由で使用した際に発生していたリモートデスクトップゲートウェイサービスが停止する問題が修正された。また、HDR(高ダイナミックレンジ)機能をオフにする新たなエネルギー推奨設定が追加され、HDR対応ディスプレイを使用するデバイスでの電力消費を抑えることが可能となった。
さらに、Bluetoothとデバイスの設定メニューに新しいオプションが追加され、マウスポインタの精度を調整できるようになった。これにより、マウス操作のカスタマイズがより柔軟になり、スクロール方向の変更も容易に行える。また、バッテリー残量が20%を切った際に表示される警告ポップアップが強化され、より早い段階で電源接続を促すようになった。
これらの改善により、ユーザーはより快適なシステム操作を実現しつつ、エネルギー消費を抑えた使用が可能となった。
KB5044285の改善と修正内容
KB5044285は、Windows 11の22H2および23H2向けに提供され、14件の重要な修正と改善が含まれている。中でも注目すべきは、Microsoft Edgeやタスクマネージャーがフリーズする問題が解消された点である。これにより、ユーザーはブラウジングやシステム監視の際に、よりスムーズな操作を行えるようになった。
さらに、Windowsの認証保護機能も強化され、Outlookや暗号化されたメールアプリでの認証時に、複数回のPIN入力を求められる問題が解決された。これにより、ユーザーは一度の認証で安全にアクセスできるようになる。また、Copilot Proサブスクリプション管理機能が新たに追加され、設定メニューからMicrosoftアカウントにサインインして管理できるようになった。
このアップデートは、セキュリティとパフォーマンスの向上に寄与し、Windowsユーザーのシステム全体の信頼性を高める内容となっている。
注意すべき既知の問題
KB5044284およびKB5044285の適用により多くのバグが修正されたが、一部の問題は依然として残っている。特に、Windows 11 24H2システムでRobloxをプレイする際に発生する問題が報告されている。Microsoft Storeを介してRobloxをダウンロードし、実行することができないという問題があり、この現象はWindows Armデバイスで主に発生している。
この問題に関しては、マイクロソフトが現在調査中であり、今後のアップデートで修正される予定である。Robloxユーザーは一時的に別のデバイスやOSバージョンでのプレイを検討する必要があるだろう。その他の既知の問題については、マイクロソフトのサポートドキュメントやフォーラムで詳細が提供されている。
アップデート適用後に問題が発生した場合、公式サポートからの情報を確認することが推奨されている。