HP EliteBook Ultra G1qは、AI機能を搭載したビジネス向けノートPCである。重さわずか1.349kg、厚さ14.4mmの軽量かつスリムなボディに、9時間のバッテリー寿命や高速充電機能を備えており、持ち運びの多いビジネスパーソンに適している。

また、Qualcomm Snapdragon X Elite Platformプロセッサを搭載し、マルチタスクや効率的な作業をサポートする性能を発揮する。しかし、タッチパッドの使い勝手や外部接続端子の少なさには改善の余地がある。

軽量でスタイリッシュなデザインと持ち運びやすさ

HP EliteBook Ultra G1qは、ビジネスシーンでの持ち運びを考慮した非常に軽量でスリムな設計が特徴である。重量はわずか1.349kg、厚さは14.4mmに抑えられており、これによりユーザーはノートPCを片手で簡単に持ち運べる。この軽さは、日々の移動や外出先での作業を快適にし、特に会議や出張の多いビジネスパーソンにとって理想的である。

外観はシンプルでありながら高級感のあるデザインで、アルミニウムシャーシを採用した「大気の青」と呼ばれる独特の色合いが際立つ。これにより、通常のビジネスラップトップに多い黒や銀色のデザインから一線を画し、個性を持たせている。また、耐久性も考慮されており、薄型でありながら日常の衝撃に耐える構造を持っている。特にヒンジ部分が強化されているため、頻繁な開閉操作にも問題なく耐えられる設計だ。

ただし、超薄型であるため、激しい取り扱いには注意が必要だと感じる場面もあるだろう。USBポートやmicroSDスロットが不足している点もあり、外部デバイスの接続にはアダプタが必要となる。これにより、一部のユーザーにとっては不便さを感じるかもしれないが、全体的には携帯性とデザインに優れた、ビジネスパーソン向けのラップトップとして高く評価できるだろう。

AI機能でビジネス効率を向上

EliteBook Ultra G1qの最大の特徴は、AI機能を活用したビジネス効率の向上である。このラップトップは、ただのハードウェアではなく、AIによるサポートを提供する「AIコンパニオン」として設計されている。特にビデオ会議中に役立つ背景ノイズのキャンセリング機能や、光の状況に応じた映像品質の最適化機能が搭載されており、リモートワークが一般的になった現代において大きなメリットとなっている。

また、専用の「コパイロット」キーがキーボードに組み込まれており、このキーを押すことで瞬時にAIアシスタントが呼び出され、タスクの管理や設定の最適化が行える。これにより、ユーザーは作業中に中断することなく、効率的にタスクを進めることが可能だ。特に多くのタブやアプリケーションを同時に使用するビジネスパーソンにとって、この機能は生産性向上に貢献するだろう。

他のAI機能としては、ビデオ通話中に最適な映像品質を維持するための調整や、システムのパフォーマンスを自動で最適化するアルゴリズムが備わっている。これにより、作業の流れが途切れることなく進行し、余計な負担を感じることなく日常業務を遂行することができる。こうした機能は、特にリモートワーク環境でその効果を発揮し、ビジネスシーンにおいて強力なツールとなっている。

パフォーマンスとバッテリー寿命の実力

HP EliteBook Ultra G1qは、Qualcomm Snapdragon X Elite Platformを搭載し、日常業務やマルチタスクにおいて高いパフォーマンスを発揮する。筆者が使用した際、20以上のタブを同時に開きつつ、複数のソーシャルメディアアプリがバックグラウンドで動作していても、ラップトップはスムーズに作業を処理し、遅延やパフォーマンス低下を感じることはなかった。このパフォーマンスは、ビジネスシーンでの多忙な作業環境において非常に頼もしいものである。

バッテリー寿命も特筆すべきポイントで、1回の充電で最大9時間の稼働が可能だ。筆者が実際に9時間以上使用しても、バッテリーの減りが少ないことには驚かされた。また、「HP Fast Charge」機能により、短時間で50%の充電が可能であり、会議の合間などの短い休憩中にバッテリーを素早く回復できる点も、忙しいビジネスパーソンにとって大きな利点である。

ただし、長時間のビデオ通話やリソースを多く消費するアプリケーションの使用時には、バッテリーの持ちが若干短くなることもある。そのため、重い作業を行う場合にはバッテリー管理が必要だが、通常の業務や軽作業においては十分に1日を乗り切ることができる性能である。高いパフォーマンスと持続力を兼ね備えたEliteBook Ultra G1qは、ビジネスパーソンにとって頼れる相棒となるだろう。

利点と欠点—ビジネスユースに最適か?

HP EliteBook Ultra G1qは、軽量かつパワフルなビジネスラップトップとして多くの利点を持っている。AI機能による作業効率の向上、長時間持続するバッテリー、洗練されたデザインと優れたポータビリティは、このノートPCを他の製品から一線を画すものとしている。特にリモートワークや出張が多いプロフェッショナルにとっては、その機能と利便性は大きな魅力である。

しかし、欠点も存在する。まず、タッチパッドの操作感がMacBookなど他の競合製品と比べて滑らかさに欠ける点が挙げられる。また、接続端子が限られており、USB-Cポートはあるものの、USB-AやmicroSDスロットがないため、外部デバイスとの接続にはアダプタが必要となる点は不便さを感じるユーザーも多いだろう。

さらに、ディスプレイの明るさが300ニットに留まっているため、屋外での使用時には視認性に問題が生じることがある。これにより、外での作業が多いユーザーにとっては、少々不向きな場面もあるかもしれない。それでも、総合的にはビジネスシーンでの作業を効率化するための優れた選択肢であり、特にAI機能とバッテリー性能がその価値を高めていると言えるだろう。