Windows 11の最新のオプションアップデートKB5043145が、多くのユーザーに深刻な問題を引き起こしている。BSOD(ブルースクリーンオブデス)やGSOD(グリーンスクリーンオブデス)が頻発し、USBポートやWiFiの消失などの不具合も報告されている。

KB5043145アップデートでBSODとGSODの多発

Windows 11の最新オプションアップデートKB5043145が、一部のデバイスで深刻なシステムエラーを引き起こしている。多くのユーザーがBSOD(ブルースクリーンオブデス)やGSOD(グリーンスクリーンオブデス)に遭遇しており、特にAsus TUF A15やROG Strix G17などのラップトップで報告が集中している。問題のアップデートを適用後、PCが起動しない、または起動時に再起動を繰り返すケースが発生している。

これにより、デバイスが自動的に「リカバリモード」に入り、更新プログラムの修復やロールバックを求められる状況に直面するユーザーも多い。さらに、BitLockerが有効になっているシステムでは、回復パスワードの入力が必要になる場合がある。Microsoftもこれらの問題を認識しており、現在調査中であるとしているが、具体的な影響範囲や原因についてはまだ明確にされていない。

ユーザーからの報告によると、アップデートを適用すると自動的に修復モードに入るケースが多いものの、いくつかのデバイスではアップデートのアンインストールに手動で対応しなければならない場合もある。これに伴い、多くのユーザーは現在、KB5043145のアップデートを一時的に停止している状況である。

USBポートやキーボード、マウスに影響

KB5043145を適用したWindows 11デバイスでは、キーボードやマウスの不具合も報告されている。具体的には、これらのデバイスが物理的に壊れるわけではなく、USBポートが正常に動作しなくなることが原因である。特にIntelのNUCモデル(N6005およびN5105)や、Asus TUFやROGのラップトップモデルでこの現象が頻繁に発生しているという。

影響を受けたユーザーは、アップデート後にキーボードやマウスがまったく反応しなくなり、異なるデバイスを接続しても問題が解決しない状況に陥ることが多い。この問題に対する唯一の対処法は、KB5043145を手動でアンインストールし、PCを再起動することである。しかし、このプロセスはリカバリ画面にアクセスするためにBIOS設定の調整が必要となる場合があり、簡単には進められないこともある。

Microsoftはこの問題に対しても調査を進めており、今後の修正パッチやアップデートで対応することを示唆している。しかし現時点では、ユーザーが手動で問題を解決する以外に有効な対策は存在していない。

WSL 2がAMDシステムで動作不良

KB5043145の適用により、Windows Subsystem for Linux 2(WSL 2)に不具合が発生するケースも報告されている。この問題は特にAMDシステムで顕著であり、WSL 2が起動できなくなるというエラーが発生している。ユーザーが遭遇するエラーメッセージには、”wsl/service/createinstance/createvm/hcs_e_connection_timeout” という内容が表示されることが多い。

このエラーにより、WSL 2を利用していた開発者や技術者は、通常の業務に支障をきたす状況に直面している。Microsoftはこの問題を認識しており、現在対応を進めているが、根本的な解決策が提供されるまでには時間がかかる可能性がある。ユーザーに対しては、Microsoft Storeで新しいWSLアップデートを確認し、それが問題解決に役立つか試すよう勧められている。

また、特にAMDハードウェアでこの問題が多発しているが、他のシステムでも同様の問題が発生する可能性があるため、すべてのWSL 2ユーザーに対して注意喚起が行われている。今後のアップデートでこの問題が修正されるかどうか、引き続き注目されている。

WiFi消失やその他のバグも続出

KB5043145のアップデート後、WiFiが消失するという深刻な問題も報告されている。具体的には、WiFiオプション自体がWindows 11の設定メニューから消えるというもので、この問題は特にLenovoのラップトップで多く報告されている。また、WiFi接続が一時的に不安定になるケースも見られるが、これもアップデートとの関連が指摘されている。

この問題に対する確実な修正方法はまだ確認されておらず、Microsoftもこの問題を認識していないとの報告がある。影響を受けたユーザーは、一時的にUSB WiFiアダプタや有線接続に切り替えるなどして対応しているが、根本的な解決策が必要である。

加えて、右クリックメニューがWindows 10スタイルに戻ってしまうという軽微なバグや、KB5043145のインストール中にエラーコード0x800f0845や0x80246019が表示され、更新が失敗するという報告もある。Microsoftはこれらの問題についての報告を受けていないが、ユーザーからのフィードバックに基づき対応を検討しているとされている。